2006年05月30日 23:53
YAMAHAの新しいホールで辛島文雄3のLIVEがあった。お目当ては、ドラムの高橋信之介。
ベースは井上陽介。辛島、井上両氏は共に日本を代表するJAZZミュージシャンだ。この二人に比べて知名度で1段落ちる高橋氏。まだ27歳。僕は宮之上貴昭&スモーキンのドラムだったという経歴からバリバリのハードバッパーを期待して行った。
うーむ、この客層はなんだろね。なぜ、かなり年配のおば様方がこんなにいるんでしょ?まーいいか。
昔よく聴きに行った辛島さん、そのスタイルは基本的に変わっていなかった。
つい何日か前、「テンションとテクニックの連続を聴かされてもそのとき「凄ぇ」と思うだけで後には何も残らない。」などと書いたばかりだが、本日の演奏はまさに「テンションとテクニックの連続」だった。本当に久しぶりにコンテンポラリーな演奏をしっかり聴いた気がする。高橋信之介氏は、ハードバッパーではなくなっていた。辛島さんが
「ニューヨークに渡って4年。本当にどこまで上手くなるんでしょう。今や日本を代表するドラマー~」
と紹介していたが、その言葉はまったく大げさではなく、まさに衝撃的なドラマーだった。
演奏終了後、CDにサインをしていただきながらあれこれ質問。
J 「ルーディメントは死ぬほど練習したんですか?」
T 「一応、毎日やりますけど・・・」
J 「全種類やるんですか?」
T 「はい。もちろん。」
J 「!・・・。どんなことに気をつけて演奏していますか?」
T 「いい音楽にするために自分が何をすべきかを考えながら演奏しています。」
J 「どんなことに気をつけて練習していますか?」
T 「思ったことをすぐに表現できるように、ということです。」
J 「一日何時間ぐらい練習しますか?」
T 「そうですね。最低でも3時間はしますね。」
J 「ありがとうございました。」
なにしろかっこよかった。ラストの「リコーダ・ミー」の新しい感覚、切れのよさ、3者のせめぎあい、素晴らしいの一語に尽きる。
ドラマーってのはテクニックに感動する側面は確実にある。打楽器という性質上当然だ。先生はいつもそれを言っている。こじゃれたテクニックも必要かもしれないが、全身全霊を込めて叩き抜くことが聴き手の心を動かすことを忘れるな、と。
高橋信之介さんはそういうドラム道を極めんと世界の最前線で突っ走るかっこいい若者なのだ。
俺も3時間、練習したいなー。(←すればいいじゃん。)
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