本当の阿多古川

ドラマーな建築家

2007年01月28日 23:31

かみさんのスケッチに付き合って阿多古川上流へ。K10Dの試運転はつづく。
阿多古川は上阿多古で二つに分かれ、熊へとつづく太いバス通りに沿って上る川は本当は西阿多古川で、阿多古川本流は右へ上っていく。だんだん道が細くなり、家はほとんど無くなって、心細くなっていく。それに反比例して阿多古川はどんどん魅力を増してゆく。県道沿いの西阿多古川よりも本流の方が荒々しく、神秘的だ。
僕達夫婦は昔からこんなところが大好きだ。東京にいた頃もよく奥多摩までスケッチに出かけたものだ。大学生の頃は長期休みに帰省すると暇をもてあましていたので原付をとばしてよく阿多古川の写真を撮った。我家周辺の風景は随分と変わってしまったけれど、上流はいまだ手付かずの原始が残っている。いまにもシシガミが出てきそうだ。実際かみさんはこのあたりでカモシカに遭遇したことがあるそうだ。ひとりではかなり怖い。でも爽快だ。
K10Dの威力をいろいろ試す。
ファインダーを覗きながら感度を変えられる、というのは相当に画期的。絵を意図的に作ろうとするときにシャッタースピードも被写界深度もどっちも譲れない、という局面がときどき生じる。こういうとき今までならフイルムを交換するしかなかったが、K10Dではダイヤル操作でシーンごとにそれを変えられる。プロフェッショナルなカメラマンには非常に強力な武器ではなかろうか。
今日は太陽がほとんど出てくれなかった。太陽がない山の谷間は相当暗い。しかし三脚無しでも十分撮影可能だった。感度はおおむね200~800ぐらい。手振れ補正の効果もあったか。

ゆっくりと満遍なく下見をしながら一旦熊へと抜け、「水車の里」でそばを食って、同じ道を引き返し定めた場所へ。
先週は寸又峡へ出かけた。何といっても有名な観光地なので一度は体験せねばと意気込んで出かけたが少々期待はずれだった。しかし、今日の阿多古川は期待を裏切らなかった。おそらくずっと歩いて川を下ってくれば一歩ごとに感動を得られるだろう。やはり基本は阿多古川だね。もう少し水量が多いともっと迫力がありそう。大雨のあとなんかにまた来てみたい。
今年は暖冬で風も無く、いつもなら最も寒さの厳しいこの時期に冬の自然を散策できるのは幸運なことだ。かみさんはもちろん地元の人間ではないが、いまや僕よりもずっとこの辺りの自然に詳しい。僕が行ったことのない「マイ秘境」をいくつも持っている。
こんなにも素晴らしいのに誰も知らないところがまたいい。ずっとスケッチしてても誰も通らない。冬、川に来る奴はいないのだ。しかし、冬には冬のいい点がある。「虫、蛇がいない」「草木が枯れているので見晴らしがいい」なーんていうところ。もっとも夏でもここまで奥には滅多に人は来ないが。
さすがにひとりでここでスケッチするのは女の人には無理があるが、カメラと自然が好きな旦那がいれば喜んで付いてくるというわけだ。
そんなわけで興奮して写真を撮っていたら突然バッテリーが切れて撮れなくなった。性能諸元を鵜呑みにしているわけではないけれど思いのほか早かった。約500枚可能のはずだが、実質は270枚ぐらいだろうか。もうひとつバッテリーを買ったほうがいいかもしれない。
家に帰ってきてかみさんのコンパクトデジカメ(FinePix)で撮った写真と続けて見たら、あんまり大差なかった。ガクッ。うーん、腕のせいか?FinePixが優れているのか?まぁいずれにしてもまだまだK10Dを使いこなしているとはお世辞にも言えない感じなのだった。

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