2006年07月21日

ヴィンセント・ハーリング4 in サムデイ

今日は、藤田ゆかりさんから大事なお役目を仰せつかった日だ。グランドホテルのサムデイにヴィンセント・ハーリング4がやってくる。そのドラマー小林陽一さんのボーヤだ。
新幹線の改札に迎えに行くと、一番最後にのっしのっしと下りて来た巨漢な人達。ヴィンセント・ハーリング(as)だった。そしておなじくらい巨漢なエイシェット・エイシェット(b)。ピアノのアンソニー・ウォンジィは小柄。小林さんと同じくらいだろうか。挨拶をして僕とゆかりさんの車に分乗。僕の隣にヴィンセントが座り、後ろにアンソニーが乗り込んだ。
たまたまそのとき僕の車に中ではメッセンジャーズの「At the Jazz Corner of the World, Vol. 2」が大音量で流れており、彼らはすぐにその演奏について話し始めた。誰の演奏か探っているようだった。
Horace Silver ?Who?ナニ?」
とアンソニーが聴くので
ボビー・ティモンズ
と応えると
「Bobby Timmons!」
と合点がいったようだった。ドラムのソロが始まると今度はビンセントが
「this is・・ Art Blakey,Blakey?」
と聞くので
「イエース」
と応えた。ヴィンセントはなんとメッセンジャーズに在籍していたことがあるらしい。それだけではない。ナット・アダレイ、ホレス・シルバー、ジャック・ディジョネットシダー・ウォルトンアート・テイラーのバンドにも在籍していたという正真正銘の超1流。すると今度は後ろでアンソニーが
「Bobby Timmons’CD?」
と聞くので
「ジャズ・メッセンジャーズ。・・アット・ザ・ジャズ・コーナー・オブ・ザ・ワールド」
と応えた。その他にも何かしゃべっていたが、僕には聞き取れなかった。
こうして浜松駅南口からグランドホテルまでの僕のエキサイティングな7分の旅は終わった。
リハ。エイシェットがベースを弾くと今まで聴いたことのない天国のような音がした。吸い込まれるような美しい響き。リハーサルで彼らはショーターの「ブラックナイル」やマッコイの曲、ハンコックっぽいコンテンポラリーな曲などを演奏。 小林さん、このメンバーに入ってもまったく平然と淡々とこなす。見事だ。しかし、後の本番ではこれらの曲は一曲も演奏しなかった。
ヴィンセント・ハーリング4 in サムデイしばらく休んだ後夕食を取った。このときエイシェットのベースのことで面白い話を聞く。エイシェットはメッセンジャーズ最後のベーシストだったらしい。彼のベースはリロイ・ビネガーから買ったものでチャーリー・パーカーやジョン・コルトレーンのバックを勤めたものなのだそうだ。「は、はーっ!」とひれ伏す代物だ。
本番。ヴィンセントはキャノンボール亡きあとナット・アダレイに「キャノンボールのレパートリーはすべてマスターしてる。」と猛烈にアタックしてそのグループに入れてもらったというデビュー逸話を持つ。自他共に認めるキャノンボール直系アルトだ。実際に聞くそのフレーズとスピード感は正にその逸話のままだった。アルト奏者は皆巨漢だ。恐ろしいほどの肺活量の成せる業なのだと思う。凄い!
素晴らしいスタンダードのステージはあっという間に終わり、少々物足りない感じだったが、まさにニューヨークなひとときであった。
ヴィンセント・ハーリング4 in サムデイおそらくこんなことは一生のうちでももうないと思われるので記念写真を撮ってもらった。なぜここにアンソニーが居ないかというと・・・まぁそれは秘密なのだ。
サインももらって握手してもらって、僕はもう、たくさんおもちゃをあてがわれた子供のようにご満悦なのだった。ゆかりさんありがとう!
それにしても今日ほど英語がしゃべれたらなぁと痛感したことはない。
英会話、勉強するか!




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Posted by ドラマーな建築家 at 23:59│Comments(0)JAZZ

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