2007年08月20日

コノイドチェアに挑む

ディスクリートチェアで家具製作の修行を始めて半年以上たった。
今僕は「最初の椅子」を作り終え、次の製作に取り掛かったところだ。ここではやくも自分のデザインを形にするのもいいのだが、もう少し基本を演習したいと思い、桜製作所ジョージナカシマのコノイドチェアコノイドチェアに挑むのレプリカを作成することにした。
最初の作業はコノイドチェアを徹底的に実測することだ。
これが非常に示唆に富んでいる。コノイドチェアはご覧のとおりシンプルで美しい形をしている。しかしだからといって作り方も単純かというとそうではない。シンプルで美しいものは作り方も単純だと思ってはいけないのだ。当然建築にも言えることで、僕たちは「美しく」見せるために様々な工夫を見えないところでしている。
計っているとデザイナーの意図が見えてくる。
「なぜその形なのか?」
次の作業は1/5模型の作成だ。製作過程を演習してみる意味でこれも非常に重要な工程。
できたのがコレ。
コノイドチェアに挑む実測に比べて意外と組み立ては早かった。
組み立てる過程で作り方(作られ方)を推理する。コノイドチェアは見てもわかるように座面が片持ちだ。この支点になる部分に掛かるモーメントは相当だろうと誰でも推測できる。しかし実際にはこの椅子は非常に頑丈で、まったくきしんだりしない。
この構造の秘密は大工さんの仕口(しぐち)の技術が重要なポイントになっている(と思う)。日系2世であるジョージナカシマは戦時中アメリカで収容所生活をしていたらしい。そのときに大工さんの技術を身に着けたと書いてある資料を読んだことがある。
さてさてこれから材料選びに入るわけだが、背もたれのスポークがヒッコリーで、それ以外の部分はウォールナットだと思われる。座面が広いので材料探しが大変そうだー。続く!


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