2006年05月15日
家相は難しい
家相に関して、大学で習った事はひとつもない。「迷信」だからだ。これを信じている建築家にも僕は会ったことはない。しかし、現実はお施主さんから「鬼門をはずして」と言われなかったことの方が少ない。
おかげで僕は様々な異なった家相の言い分を知っている。「家相見」という占い師が何人もいて、それぞれ違ったことを言うのだ。
僕自身は小池康壽という家相研究家の考え方を概ね支持している。オールアバウトのガイドなのだから、その辺の有象無象とは訳が違う。(ほんとか?)「概ね」というのは支持しない部分もあるということだが、基本的に道理は通っているだろう。
読めばわかるが、現代家相学では「鬼門」や「張り欠け」は重要ではないと断言している。
そもそも家相は中国の古事にまつわる言い伝えで、仏教にも神道にもまったく関係がない。千年以上も前の中国での古事に、現代の日本人が囚われなければならない理由はない、ということだろう。
若い人で家相を信じている人は非常に少ない。逆に60代以上の人で家相を気にしない人は極めて少ない。ここでトラブルが生じる。
「私達は気にしないんですが、親が・・・」というパターンは設計士なら誰もが経験しているだろう。実は現在僕が抱えている仕事でこのパターンで親とすったもんだしている案件が4件もある。アーキムーンの設計方針では家相についての考え方を明確に表明していて、お施主さんの意思は確認しているのだが、ご両親までは設計方針を読んでいないわけだ。
僕は出来る限り皆が納得するように図面を直せる限りは対応するようにしているが、限界はある。せっかく夢いっぱいで建築家に託した間取りが言下に否定され、嫌な思いをしているお嫁さんに僕は
「がんばってください。」
ぐらいしか言えない。年配の方々はそれを長く信じてきたわけで、いまさら「それは迷信です。」などと若造に言われても「そうですか。」と納得するわけはない。親にしてみれば「我が子かわいさ」から言っているのだ。
とても、とても難しい。
それでも僕はどんな間取り(たとえ家相でガチガチだとしても)でも美しい形にすることは可能だと信じていて、どんなに制約が多くても期待に応えられる能力が建築家のスキルだと思っているので
「わかりました。」と言って黙って考え直すわけだ。
家相を気にする若い人の99%は、正確には「『家相が悪い』と言われること」を気にするのだ。それを言われたときほとんどの人は嫌な思いをする。いい事はひとつもない。「家相見」が儲かるだけだ。
だから僕は自分が住まない家について絶対に「家相大丈夫?」などと軽々しく言ってはならないと思っている。その一言を言われた人は間違いなく嫌な思いをし、いらぬ不安を抱き、へたをすると要らぬ出費をし、不本意な家に永久に住むことになりかねない、ということを皆知っていて欲しい。
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おかげで僕は様々な異なった家相の言い分を知っている。「家相見」という占い師が何人もいて、それぞれ違ったことを言うのだ。
僕自身は小池康壽という家相研究家の考え方を概ね支持している。オールアバウトのガイドなのだから、その辺の有象無象とは訳が違う。(ほんとか?)「概ね」というのは支持しない部分もあるということだが、基本的に道理は通っているだろう。
読めばわかるが、現代家相学では「鬼門」や「張り欠け」は重要ではないと断言している。
そもそも家相は中国の古事にまつわる言い伝えで、仏教にも神道にもまったく関係がない。千年以上も前の中国での古事に、現代の日本人が囚われなければならない理由はない、ということだろう。
若い人で家相を信じている人は非常に少ない。逆に60代以上の人で家相を気にしない人は極めて少ない。ここでトラブルが生じる。
「私達は気にしないんですが、親が・・・」というパターンは設計士なら誰もが経験しているだろう。実は現在僕が抱えている仕事でこのパターンで親とすったもんだしている案件が4件もある。アーキムーンの設計方針では家相についての考え方を明確に表明していて、お施主さんの意思は確認しているのだが、ご両親までは設計方針を読んでいないわけだ。
僕は出来る限り皆が納得するように図面を直せる限りは対応するようにしているが、限界はある。せっかく夢いっぱいで建築家に託した間取りが言下に否定され、嫌な思いをしているお嫁さんに僕は
「がんばってください。」
ぐらいしか言えない。年配の方々はそれを長く信じてきたわけで、いまさら「それは迷信です。」などと若造に言われても「そうですか。」と納得するわけはない。親にしてみれば「我が子かわいさ」から言っているのだ。
とても、とても難しい。
それでも僕はどんな間取り(たとえ家相でガチガチだとしても)でも美しい形にすることは可能だと信じていて、どんなに制約が多くても期待に応えられる能力が建築家のスキルだと思っているので
「わかりました。」と言って黙って考え直すわけだ。
家相を気にする若い人の99%は、正確には「『家相が悪い』と言われること」を気にするのだ。それを言われたときほとんどの人は嫌な思いをする。いい事はひとつもない。「家相見」が儲かるだけだ。
だから僕は自分が住まない家について絶対に「家相大丈夫?」などと軽々しく言ってはならないと思っている。その一言を言われた人は間違いなく嫌な思いをし、いらぬ不安を抱き、へたをすると要らぬ出費をし、不本意な家に永久に住むことになりかねない、ということを皆知っていて欲しい。
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Posted by ドラマーな建築家 at 16:47│Comments(0)
│設計など
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